最近は、思考の補助ツールとしてAIを使う機会が増えてきた。特に気に入っているのが、Obsidianのプラグイン「Copilot」に含まれている“vault QA”という機能だ。専門外の分野について書かれた――論文、技術記事、あるいは難解なWebページなどを読むときに役立っている。
使い方は簡単で、Web Clipperで気になるページをVaultに保存し、Copilotに指示を出すだけ。数十秒もすれば回答が生成される。それは決して完全な理解ではないけれど、霧がすっと引いていくような感覚をもたらしてくれる。
今はまだ、AIを“補助”として使っているつもりでいる。けれど、無意識のうちに“代替”になっている場面もあるかもしれない。Obsidianという第二の脳にアクセスできるCopilotは、すでにその力を持っているようにも思える。
Paul Grahamのエッセイ「Writes and Write-Nots」を読んだ。アメリカの計算機科学者Leslie B. Lamportの“If you’re thinking without writing, you only think you’re thinking.”という言葉を引用しながら、彼は、これから訪れるであろう「書く人」と「書かない人」に分かれた世界に警鐘を鳴らしている。
中でも印象に残ったのは、エッセイの最後に出てくる“thinks and think-nots”という表現だ。「考える人たち」と「考えない(あるいは考えられない)人たち」という構図を、印象的な造語で表現している。
“Think” と “Think-Not” の分岐はいつの時代も目の前にある。けれどこれからは、その分かれ道を、これまで以上に慎重に見極めなければならない。Copilotを使いながら、そんなことをふと思った。